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「モノリス」

 

 

「『魁種族』が地球に放り込んだ『モノリス』に触発された『ヒトザル』は道具を創って獣を倒して喰らい武器を創って反目するヒトザルを殺戮し、その歓喜のあまり放り上げた骨が最新衛星に一変する」

「月に移住した人類はクレーターで『モノリス』を発掘し、その調査のため、船長ボーマンら5名の乗組員と人工知能HALを乗せた宇宙船ディスカバリー号木星探査に向かう」

「飛行の途上人工知能HALの反乱によって4人の乗組員が殺害されるが、人工知能HALの思考部を停止して亡き者とした船長ボーマンは一人なお木星に向かう」

「その木星の衛星軌道上に巨大な『モノリス』、『ビッグブラザー』が出現しスターゲイトが大きな口を開け放つ」

「船長ボーマンはそのスターゲイトに吸い込まれて宇宙の彼方へ転送され、そこで肉体を脱した精神のみの生命体『スターチャイルド』に生まれ変わる」

                                      ””

(「2001年宇宙の旅」ー2001:A  Space OdysseyーウイキペディアWikipediaからの抜粋)

 

 

 

 「ヒトザル」は「道具を創って獣を倒して」自然と動物から疎外された。

「ヒトザル」は「武器を創って反目するヒトザルを殺戮して」みずからの生と死から疎外された。

「ヒトザル」は「創造と破壊」「生と死」の時間律、因果律から疎外された。

 

 

 人類となった「ヒトザル」はまだ月に移住していない。

 人類はいまもこの地球で「道具を創って獣を倒して喰らい武器を創って反目する人類を殺戮している。」

 人類はいまもこの地球で「創造と破壊」「生と死」の時間律、因果律に疎外されたままである。

 

 

人類はこの「創造と破壊」の疎外から免れるためAI人工知能を創り始めている。

人類はこの「生と死」の疎外から免れるため万能細胞を創り始めている。

 

AI人工知能と万能細胞の「創造」もなお人類を疎外する。

AI人工知能と万能細胞の「創造」によって人類は「肉体を脱した精神のみの生命体」となり「肉体と精神をもった生命体」である人類から自己疎外される。

「肉体を脱した精神のみの生命体」はまた「肉体と精神をもった生命体」を息づかせる「地球」からも疎外される。

 

 

人類はAI人工知能と万能細胞の「創造」によりみずから自己疎外されまた地球からも疎外されることを感知して怖れはじめている。

 

 

人類はこの自己疎外と地球からの疎外を怖れて地球から脱出すべく火星へ移住するためのロケット準備を完了しつつある。

 

それでも火星に移住するのは「肉体を脱した精神のみの生命体」でなく、「創造と破壊」「生と死」の時間律、因果律に疎外されたままの「肉体と精神をもった生命体」である。

 

 

人類はこれら疎外から逃れるためにはもはや「ヒトザル」が触発されてそれを齎した「モノリス」の秘儀を探索するしかない。

 

「魁種族」が放り込んだ「モノリス」はこの地球の地層深く埋没しているのかはたまた月あるいは火星のクレーターに潜むのか。

 

「魁種族」が新たな「モノリス」を放り込む気配は微かながら漂っている。

「魁種族」が地球にやってくる気配、月か火星の訪問者となる気配も微かながら漂っている。

 

「魁種族」が新たな「モノリス」を放り込むか地球か月か火星の訪問者とならなければ人類は「モノリス」の秘儀探索の旅に出るしかない。

 

その人類の探索衛星の軌道上には「魁種族」が設えた「ビッグブラザー」「モノリス」のスターゲイトが大きな口を開けて待ち構えている。

 

人類がそのスターゲイトに吸い込まれると宇宙の彼方に転送される。

そして人類はみずから希みながらも怖気付いて生まれ変わることができなかった「肉体を脱した精神のみの生命体」、「スターチャイルド」に生まれ変わることができる。